2022.10 秋の乗り放題パスで東京~阪神競馬場往復一人旅 3日目① 岩倉具視幽棲旧宅で競馬で乱れた心を浄化させる

※これまでの話はこちら



2022年10月17日(月)


朝7時起床。昨日の競馬疲れ&難波道迷い歩き疲れ&アルコールパワーによって昨晩はぐっすり眠ることができた

ホテルの立派な寝巻からいつものボロ衣の安服に着替え、7時50分に京都河原町のビジネスホテルを出発する。外はあいにくの雨…

旅3日目は『秋の乗り放題パス』の利用期限が本日までなので、観光をしながら23時59分までに東京に帰るスケジュールとなる

昨日競馬でそこそこなプラス収支を出していたら、豊橋~小田原間(鈍行列車だと乗り換え&乗車がしんどい区間)は東海道新幹線を使ってやろうかと思っていたが、夢物語に終わった…。いつものように鈍行列車で東京に帰る


旅最終日、さてどこを観光しようか…

今回の旅を企てる際に一番悩んだのが、旅最終日のスケジュール構成

タイムスケジュール的に午前中観光するなら京都周辺が都合がいいのだが、過去の一人旅で大体のベタな京都の名所は一通り行っており、ネタ切れで行きたい場所がもう無い

どうにか観光名所を絞り出そうと思い、旅出発前に『京都 幕末 観光』『京都 酒蔵』『京都 ご当地グルメ』と私の興味のあるジャンルのワードを添えてネット検索、そして絞り出したのが…


『岩倉具視幽棲旧宅』


幕末の公家・岩倉具視が洛中を追放された際に過ごした家である。過去の一人旅でも訪れようと企てたことはあったのだが、その時は休館日で行けず

(ここしかねえだ…)

ホームページによると、コロナにより事前予約制で公開されているとのことで、旅出発前に10月17日の9時~(60分制)の枠をホームページから予約をする

入場券はいくつか種類があって

一般入場券 400円
お土産付き入場券 1,000円
お抹茶付き入場券 1,000円

一般入場券じゃ面白くない…、お抹茶を飲んでくつろぐほどの時間の余裕が無い…、お土産付き入場券を選択

(岩倉具視プロマイドとかかなぁ…。岩倉具視サブレーとかでもいいなぁ…)

お土産が何なのか想像しながら現地に向かう



祇園四条 8:02発 京阪本線特急
出町柳  8:09着

出町柳 8:22発 叡山電鉄叡山本線
岩倉  8:35着





岩倉駅下車。相変わらず雨は降り続けており、右手に傘、左手にスマートフォンの地図アプリを見ながら目的地を目指す

駅から信号を渡って川沿いの静かな道を歩くこと14分





現地に到着するも、人の気配が無い…

(やってんのか…)

入口前でしばらく不審者のように建物内を覗きながらもじもじするも、覚悟を決めて中に入る

私というじじいの存在に気づいてもらおうと、足元の砂利をやや過剰に音立てながら歩くと、係りの方が中から出てきてくれた

予約をしていることを伝えるとご丁寧に応対してくれて、ここで念願の『お土産』をいただく





ガイドブック・旧宅が写ったクリアファイル&ポストカードがお土産の正体であった

クリアファイルは2種類から選べて、今の季節に合った紅葉の方を選択

ガイドブック的な冊子、私、こういうの嫌いではないので読んで勉強させていただきます

クリアファイル&ポストカードも大事に保管して、死んだ時にお棺の中にヤクルトのユニフォームとスケベな本と一緒に入れてもらおうかと思います





敷地内を見渡すと他に見物客がいない、どうやら朝9時の枠は私一人っぽい…

それはそれでちょっと気まずい…

「ガイドの解説付きでご案内もできますが、いかがでしょうか?」

受付の方に聞かれる。自分のペースで見て回りたい派なので、普段ならお断りをするのだが、静寂な空間がそうさせたのか

「えっ!?あの…えっと…、あの…じゃあお願いします…」

珍しくガイドを受けることにする

建物内からベテラン風の男性のガイドの方(受付の方とは別)が出てきて案内していただく





岩倉具視が日夜過ごした部屋(上写真参照)に上がらせていただく。この部屋で薩摩の大久保利通と会合し、未来の日本について語り合ったという

「どうぞ座布団にお座りください」

そんな歴史的な部屋で今日出会ったおじさん二人が向き合って座る

(は…恥ずかしい…)

向き合うのが照れてしまい、私は正面を見れず、視線を若干右斜め上にしながらガイドの方の話を聞いていく


「こちらはどういったことで来てくださったのですか?」
「あの…幕末の歴史が好きなもので…」
「そうでしたか、お詳しそうなのでより深く説明させていただきますね」

(えっ!?そこまで詳しいわけじゃ…)


ドキドキしながら岩倉具視およびこの場所の話を聞かせていただく

この男性ガイドの方、講談師のように話し上手で説明も分かりやすかった

トータル15分ぐらいの説明を受けたが、思わず聞き入ってしまい、あっという間に時間が経過していた

ガイドをお願いしたのは正解であった…

ただマンツーマンは最後まで恥ずかしかった…





「ここは秋の紅葉の季節は美しいですよ」

10月中旬でまだ葉は色づいていなかったが、お土産でもらったクリアファイルを見る限りは最高そうである

「今回のご旅行はどちらを見られたんですか?」
「えっ!?」

阪神競馬場で勝負をしに来たんですわ!!とは恥ずかしくて言えなかったので

「あのぉ…色々歴史的な…あのぉ…」

歯切れの悪い回答をして誤魔化す

ガイドの方の解説が終わった後は、一人で敷地内を見て回る

結局、最初から最後まで客は私だけだったので、静かで落ち着いて見物することができた



岩倉  10:07発 叡山電鉄鞍馬線
出町柳 10:20着





行きの叡山電車は満員電車だったが、帰りはガラガラ…

『岩倉具視幽棲旧宅』の静寂さで心が浄化され、ガラガラの静かな電車で心が穏やかになる

昨日の競馬のしょっぱい思い出も忘れられそうです…



つづく



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