2024.12 東京〜京都競馬場青春18きっぷ一人旅打ち 3日目① JR飯田線の旅、名勝 天龍峡へ 前編

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2024年12月16日(月)


負け戦を終えた後の朝は非常に清々しくない上、早朝4時30分にセットしたスマートフォンのアラーム音で嫌々起床したため、身も心も怠い

普段から目覚めは良い方だが、昨日の京都競馬場の大合戦にて、共に戦い散っていった渋沢栄一先生(一万円札)、北里柴三郎先生(千円札)のことを思い返すと、総大将の私としては自責の念・痛恨の極みなどの感情が渦巻き、辛くて布団から出たくなくなる・・・

ただ財布の中を見ると、辛うじて生き残った野口英世先生(旧千円札)が凛々しい姿で励ましてくれる


「忍耐は苦し、されどその実は甘し」(苦労や困難を乗り越えた先に、良い結果や成果が得られる)


Amazonで3,000円程度で購入した安財布のお札入れコーナーの中から、野口先生がかつやの100円割引券に挟まれながら、有難い御言葉をかけて下さったおかげで、布団を飛び出し、前を向いて生きていくことを決意する





さて、今回の旅は3日間用の青春18きっぷ(12月14~16日)を使用しており、最終日となる本日は、丸一日かけて豊橋から東京に引き上げる

どこにも立ち寄らず東京に帰っても面白くないので、骨の髄までフリーパスの青春18きっぷを使い切って、旅初日同様に途中下車をして、観光&ご当地グルメを楽しみながら東京に帰ることにする


「どこを観光するか?」


これまでの青春18きっぷ一人旅(2008年開始)で、東海道本線沿線あるいは中央本線沿線(名古屋~東京)の行きたい観光名所は大体行ってしまったので、出発前に旅3日目の観光スケジュールを組むのに苦労する

「どうしたものか?」と思いながらGoogleマップで日本地図をぼんやり眺めていた時に閃いたのが・・・


豊橋から長野方面(飯田・岡谷)に走っている『JR飯田線の旅』である


過去に乗ったことがない路線で、新鮮味があるというところが一番の決め手となった

飯田線沿線にナイスな観光名所はないかと調べたところ、某観光案内サイトにアップされていた『天龍峡』の写真が美景だったので、そちらを目の当たりにすることをメインとした飯田線の旅を企てる

ちなみに、旅2日目の宿泊地を豊橋にしたのも、始発の飯田線に乗るためであった。飯田線は本数が少ないので、同日中に『天竜峡観光 → 別都市に移動して食事 → 東京』というスケジュールをこなすには、始発電車に乗らないと出来ないのである





始発電車は6時発だが、下車する天竜峡駅までは3時間超のロング乗車で、確実に座りたかったので5時30分には豊橋駅へ

ホームに降りるとすでに2両編成の飯田線が停まっており、車内は1~2人が乗っているだけでガラガラ

確実に座れる状況に安堵、2人掛け席の窓側に腰を下ろす。車内は暖房が効いていてワイキキビーチのような最高の環境であった

電車は定時に出発、途中から通勤・通学客で混み出すかと思ったが、その気配もなく、しばらく静かで暖かい空間が維持されていた


「この環境ならガッツリ寝れるだ・・・」


瞼を閉じると、睡眠不足と長旅の疲れが加味して、夢の世界へと導かれていく・・・


「zzz」


「・・・」


「さむい・・・」


眠りに就いてしばらくすると、先程までワイキキビーチのように暖かかった車内が、近所のマルエツの冷蔵食品売場コーナーのように寒くなっており、眠気は一気に吹っ飛び、瞼全開オープンとなる・・・

これは推測だが、電車が北進して山間部に入っていくにつれて、外の気温が下がり、車内の暖房設定は一定のため、外気と混ざり合って車内の温度が低くなったのではないか・・・


「糞寒いだ・・・」


結局、眠れたのは30~40分程度で、大半の時間をブルブル震えながら耐えて過ごすことになる





豊橋  6:00発 飯田線
天竜峡 9:08着



終点・天竜峡駅ホームに降りると、豊橋より明らかに空気がひんやりして澄んでいる。まさに山の空気

3時間乗車で腰がバッキバキ状態だったので、軽くストレッチをしてほぐし、冷え切った身体も温めてから糞デカ重たいリュック(登山用 70l)を背負って改札を出る

ちなみに、次乗る電車が12時33分発(茅野行き)なので、約3時間20分の天竜峡観光となる





駅すぐ横の踏切を渡り、数十秒歩くと天竜川が流れており、早速美しい景観のお出ましである

間近で川を眺めるため、坂道を下って河原へ向かう





周りに人は誰もおらず、サウンドは川のせせらぎだけ

そう言えば、天竜峡駅降車客も少数で、ここまですれ違った観光客は1~2人だけ・・・

平日の朝早い時間というのもあるかもしれないが、私としてはスムーズに観光ができそうで非常にありがたい

一人で天竜川を独占しながら、元プロレスラー・天龍源一郎さんの入場曲『THUNDER STORM』を口ずさみながら、しばらく川を眺める

2022年に行った青春18きっぷ一人旅で、京都・嵐山の天龍寺に行った時もそうだったが、どうも『てんりゅう』と名が付く場所に行くと、天龍選手になり切って『THUNDER STORM』をなかなかのボリュームのデカさで口ずさんでしまう癖がある

名前が一緒というだけのスーパー浅い理由なのだが・・・

恐らく青森県の三沢に行ったら、プロレスラー・三沢光晴になり切って『スパルタンⅩ』(入場曲)を口ずさむのだろうし、月に行ったらセーラーマーキュリーになり切って『ムーンライト伝説』を口ずさむのだろうし、M78星雲に行ったら・・・

ハイパーどうでもいい話はこのぐらいにして、話を進める





「糞重てぇ・・・」


間近で天竜川を観賞した後、坂道を上って引き返す時に、改めて背負っているリュックの重さを実感する(10㎏未満、7㎏前後はあるような・・・)

何故重いかというと、一眼レフカメラ・ノートPC・モバイルバッテリーを含む充電器・3日分の衣服・洗面用具が入っているからである

この後、天龍峡の絶景スポットを目指して結構な距離を歩き回るので、重量たっぷりのリュックを背負ったままだと、首・肩・背骨・腰が日清フラワー粉のように粉々になってしまうと思ったので、コインロッカーにリュックを預けることにする

かつては、寝不足状態で糞重たいリュックを背負ったまま、香川県・金毘羅山の石段を登り切ったり、山形県・山寺(立石寺)を登り切ったりしていたが、今や42歳のじじいとなり、気力&活力がもうないのでご勘弁ください・・・





一人旅歴16年の経験上、コインロッカーは大体駅にある

「これまでの旅の経験値が違うのだよ・・・」と誇らしげに天竜峡駅に引き返す


「ぬはっ!?」


コインロッカーは無し・・・

私の旅の経験値などゴミクズ以下であった・・・

「どうするべか・・・」と己の小さい脳をフル稼働させた結果、駅近くにあった観光案内所でコインロッカーの場所を教えてもらうことにする

「あっ!?」

案内所内を見ると、コインロッカーがあるではないか

料金は600円(糞デカリュックのため、大きいサイズのロッカーしか入らない)

300円ぐらいと想定していたので、利用するのを一瞬躊躇するが、コインロッカーにリュックを入れないとフラワー粉地獄を見ることになるので、妥協して600円払うことにする

コイン投入口に100円玉を・・・

「なぬっ!?」

財布の中を見ると100円玉が2枚しか無い・・・

支払方法は100円玉のみのコインロッカー

観光案内所の事務所の方を見ると、係りの方がいらっしゃったので、両替をお願いしに行く

男性の係りの方は、嫌な顔一切せずに両替を快諾してくださり、私は大恩人である野口英世先生(旧千円札)を躊躇せず無慈悲に渡し、100円玉をゲットする

無事に糞デカリュックをコインロッカーにぶち込み、身軽になったところで本格的な天龍峡巡りを開始する

観光案内所内に観光ガイドパンフレットが置いてあったので、一番情報量が豊富なものをいただいて、そこに載っていた地図を頼りに歩き始める

しかし、その地図がイラストベースのもので分かりづらく、歩き出して早々に道に迷う





途中でイラスト地図からスマートフォンの地図アプリに切り替えて、迂回&遠回りしまくって、何とか入口っぽいところに到着

ここから川沿いに歩いていくと絶景スポットにたどり着くのだが、前方にある階段がしんどそうである・・・

ただ今の私はリュックを背負っていない身軽無双状態

「クズ人間のオレでも今ならやれる!」

自分で自分を励ましながら歩を進める





『龍角峯』

立川志の輔師匠がCMをやってそうな名の案内看板を発見、どうやら名所っぽいので立ち寄っていく





縦に長い岩肌があらわになって勇ましい光景、そして川の水が三沢光晴のタイツの色ようなエメラルドグリーンで美しく、思わず『スパルタンⅩ』を無意識のうちに口ずさんでいた

ここでも周りには誰もおらず、『龍角峯』を一人で独占して眺め続ける

川の流れも穏やかで、静寂とした雰囲気もマッチして心地いい

美景に心が浄化されたところで、さらなる絶景スポットを目指して歩き出す

次行く場所こそが、天龍峡を目の当たりにしたいと思うキッカケとなった『つつじ橋』である



つづく



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