2023.7.2 白河の関を越えて勝ちたい福島競馬場日帰り旅打ち 後編
「じゅんじいいいいい！！！」
福島メインレースのラジオNIKKEI賞は、本命馬グラニットに騎乗する嶋田純次騎手への心を込めたダミ声エールは届かず･･･
人馬は馬群に沈み、私も腰が砕けたかのように自席に沈み込んだ
高確率で当たると思っていたＣＢＣ賞、そしてラジオNIKKEI賞と東西重賞を立て続けに外し、心が折れかけた状態で迎える福島最終レース
「最終レースで大当たりして逆転サヨナラ満塁ホームランみたいなことは夢物語なんだよ･･･。エロ本の雑誌広告の『パワーストーン効果でギャルと一緒に札束風呂に入れる』みたいなのと一緒でフィクションなんだよ！」
本日同じく負けているＯ氏（栃木県在住で同期の元芸人のじじい）と共にネガティブな底辺トークを繰り広げる
ただホームランは無理でもボテボテの内野安打を放ち、数百円でも負け額を減らすことができれば･･･
弱々しい目標ではあるが、現実的な希望を持って福島最終レースに挑む
福島12Ｒ ３歳上１勝クラス 芝1200ｍ
小回り芝1200ｍ多頭数で出走馬全て弱いという難解のレース。この日のレース（福島・中京・函館）の中で一番荒れる確率が高いと見て購入レースに選択した
クラス実績があるのはコスモアディラート（５番人気）だが、今回は開幕週の大外枠（16番）で厳しい条件、それに減量騎手が多数いる中での斤量58キロも不利、よって評価を下げる
出走メンバーの中で地力上位だと思っているのは、４番人気プレジャークルーズと７番人気クリノゴッホの二頭
プレジャークルーズは近況成績はイマイチも昨年秋のメンバーの揃った未勝利戦で１着、前に行ける脚質なので開幕週馬場も合っており、スムーズに競馬ができたら一発あってもいい
クリノゴッホは昨年末辺りはそこそこな走りをしていたが、近走は使い詰めで成績降下、今回休みを挟んでリフレッシュ効果があるようならば一変も
本命馬もこの二頭のどちらで悩む
公営ギャンブルは負けている時ほど『取り戻す』気持ちが強くなり、スケベ心が肥大化して人気薄の方を買いたくなる･･･
７番人気クリノゴッホ･･･
じゃねえ！！
開幕週馬場なら前に行ける馬が有利だと思い、４番人気プレジャークルーズをスケベ心を打ち破って本命に選択する
プレジャークルーズ軸の３連複流し計3,000円を購入、そしてクリノゴッホ軸のワイド流し計500円も押さえておく（合計3,500円ＰＡＴ購入）
馬券購入を済ませると帰り支度を始め、外れた瞬間にこの場から逃げれるような体勢を整えておく
「出遅れないで出遅れないで、おねげえしますだおねげえしますだ･･･」
「出たあああ！！！！！」
私の奥義・競馬念仏が馬にも届いてプレジャークルーズがスタートを決める。そして鞍上の菅原明良くんは逃げる形を選択
馬群は縦長となり、プレジャークルーズは手応え十分でマイペースで逃げれている
「プレジャークルーズはもう大丈夫、今日の馬場なら最後まで残る･･･。あとは相手に人気薄が来れば･･･」
直線に入りプレジャークルーズは押し切り体勢、その後ろから外枠を危惧していた５番人気コスモアディラートが伸びてきて２着濃厚、今回厳しい条件も地力でカバーしてきた印象
ちなみにコスモアディラート、３連複流しの２列目で購入
あとは３着だけ･･･
「ぬはっ！！？？？」
道中二番手でプレジャークルーズを追走していた11番人気ミュージアムピースが三番手でまだ粘っている･･･
ミュージアムピースの鞍上はまたしても嶋田純次･･･
「じゅ、じゅじゅんじぃ･･･」
そしてミュージアムピース
３連複流しの３列目で購入
「じゅんじいいいいいいいいいい！！！！！！！！！」
本日二度目の嶋田純次ダミ声エール発動
「じゅんじいいいい！！！残せええええええ！！！！」
１着プレジャークルーズ
２着コスモアディラート
３着ミュージアムピース
３連複的中（100円購入）
まさに『純次の恩返し』である
ラジオNIKKEI賞で贈ったエールをここで返してくれたのだ
じゅんじ、夢を見せてくれてありがとう･･･
さて配当はいくらなのか？ドキドキ感を味わいたかったのでオッズは調べず、大型ビジョンに表示されるまで待つことにする
１番人気は４着以下に飛んだが、１～２着馬は比較的上位人気馬なので恐らく150倍前後といったところであろうか･･･
そんな中、隣りのＯ氏が勝手にオッズを調べ出す
「やめろよ！楽しみは後にとっておくんだから、オッズが分かってもオレに教えるんじゃねえぞぉ～！」
Ｏ氏は無表情でスマートフォンを見つめ続け、オッズ確認後も表情を崩すことなく無言を貫いている。芸人時代はコントで大根演技を披露していたＯ氏だが、表情からはオッズが低かったのか高かったのか読みづらい名演技を見せている
「おい何だ？黙り込んで？オッズ大したことなかったんだろ？まぁ150倍ぐらいだと思うけどなぁ（笑）」
「400倍もついてるじゃねえか！！！！！！！」
Ｏ氏の名演技に惑わされ、びっくらこいて絶叫する
３連複418.8倍×100円的中
本日収支 ＋30,180円
逆転サヨナラ満塁ホームランとまではいかないが、腰痛持ちの雑魚じじいがサヨナラ２ランホームランを放ち、劇的にプラス収支に転じることができた
夢物語じゃなかっただ･･･
ひょっとしたらギャルと一緒に札束風呂もフィクションじゃないのかもしれない･･･
一方、隣りではＯ氏がトータル２万円負けで100点満点の死んだ表情をしている（顔は一般の方なので彼のイメージカラーであるうんこ色で隠しております）
先程のスマホを見つめる無表情を名演技だと思っていたが、ただ単に競馬で負けすぎて表情筋が死んでいただけだったのかもしれない
「いつも旅打ちで３～４万負けてることを考えれば今日はマシじゃんか！帰りにおじさんがショートケーキ買ってあげるから元気出せよ！」
スーパー上から目線でＯ氏を励ましながら福島競馬場を後にする
Ｏ氏の車で東北自動車道を南下、帰りの車内は『晩飯何食う？』『子供の頃に好きだったアニメベスト５』などの話題で、行きの車内とは打って変わり会話が盛り上がる
ちなみに･･･、ハイパー糞どうでもいい情報ですが、Ｏ氏は好きなアニメに『ドリモグだァ！！』と『ダッシュ四駆郎』などを上げ、私は『ドカベン』や『キテレツ大百科』などを上げたような気が･･･
さて晩飯だが、東北自動車道の佐野ＳＡがリニューアルオープンしたとかで、調べてみるとレストランも美味しそうだったのでこちらで晩飯を食べる
つもりでいたのだが、行ってみると祝日の夕飯時（19時過ぎに到着）で激混み状況･･･
フードコート含め飲食店はどこも列ができており、佐野ラーメンですら20分待ちとのこと･･･。帰りの電車の時間の関係で余り時間が無いということもあり、佐野ＳＡでの晩飯は断念、トイレで放尿だけ済ませてこの場を後にする
佐野藤岡ＩＣで高速を下りて小山駅近くのスシローで晩飯
段違いの低所得おじさんなので基本的に人にご飯を奢るような行為はしないのだが、公営ギャンブルで勝った時だけは例外である
「たくさん食ったらいいんだよ！ただこんな糞雑魚な低所得おじさんにメシを奢られることは恥じた方がいいぞ、さぁ食えよ」
盛大にＯ氏に晩飯を奢る
そういえば、人にご飯を奢ったのは何時ぶりだろうか･･･
「・・・」
思い出せないってことは、その間一度も競馬やボートレースで勝っていないということであって･･･
考えれば考えるほど怖くなってきたので、脳内を目の前のコーン軍艦を食べることだけに集中させリセットする
会計は二人で3,000円ちょっとであった
小山駅で車を降ろしてもらい、Ｏ氏とはここで解散
『旅打ちで勝ったら新幹線で帰る』という夢を抱き続けており、電車賃を調べると小山～東京で3,600円
今日の勝利なら全然いける･･･
ただ私の心の中の小さな低所得おじさんが突如現れて異議申し立てる
（電車賃に3,600円も使ったらもったいないだろ？そのお金は来週の競馬に使うべきなんじゃないか？）
あっさりと新幹線は断念する
その代わりに上野東京ラインはグリーン券（1,000円）を購入、ゆったりとした指定席で帰らせていただく
小山 ２１：１６発 上野東京ライン
赤羽 ２２：２２着
赤羽 ２２：２５発 湘南新宿ライン快速
新宿 ２２：４０着
指定席乗車は小山～赤羽間の僅か１時間程度であったが、車内はガラガラで静かだし、背もたれは倒せるし、小山駅内のセブンイレブンで買ったレモンサワーは美味いし、王族気分で過ごすことができた
福島旅打ちを開始してから６年、ついに白河の関を越えて競馬で勝つことができた。栄冠は低所得おじさんに輝いたのだ
そして次なる目標は『旅打ちで勝って新幹線で帰る』
近い将来に達成できることを願って･･･
たださらに近い将来に破産している可能性が･･･
おしまい
※皆様のご支援お待ちしております
