2024.12 東京〜京都競馬場青春18きっぷ一人旅打ち 3日目② JR飯田線の旅、名勝 天龍峡へ 後編

※これまでの話はこちら





2024年12月16日(月)


天龍峡に行こうと思ったキッカケが『つつじ橋』と『そらさんぽ天龍峡』である

『つつじ橋』は、峡谷中部にある吊り橋で、橋の上から天龍峡を間近で見渡せる自然的絶景スポット

『そらさんぽ天龍峡』は、三遠南信自動車道の天龍峡大橋下に設けられた歩道で、高さ80mの位置から天龍峡を広域に眺められる人工的絶景スポット

某観光案内サイトで両方の写真を見た時に、目の当たりにしたいと思ったのである





先程訪れた『龍角峯』からさほど離れていない場所に『つつじ橋』はあった

天竜峡駅から寄り道をしつつ向かったので、到着するまでに1時間以上かかったが、天竜峡駅から直接向かえば歩いて10分程度
道中は険しい道という訳ではなく、割とアクセスが良い場所に吊り橋はかかっていた

吊り橋入口には、プロレスラー三沢光晴のコスチュームの色のような緑で書かれた『昇龍泉』の看板、そして『開運・延命・若返りスタンプ』を発見する(上写真参照)

昇龍泉看板を見ると、上段に『天龍峡の名水』と表記
縁起の良さそうな名前の水に、飲めば中日ドラゴンズの来年の成績が良くなるか、運気&パワーが付きそうな気がしたので、スワローズファンの私は後者の方に期待をして名水を頂く

つもりだったが、看板下にある水栓的なところから水が出ておらず・・・

平日の午前中は営業時間外だったのか、節水のため取り止めていたのか、それとも体長3メートルの伝説の山男が全部飲んでしまったのか・・・

理由は定かではないが、昇龍泉を飲むことは叶わなかった

水を飲んで運気を上げることは諦めて、看板右横の『開運・延命・若返りスタンプ』を押すことにする


『開運』は、公営ギャンブルにとって必須

『延命』は、日頃100円前後の総菜パン、割引シールの貼られた弁当中心の暗黒食生活を送っており、早死する可能性が高いので必須

『若返り』も年々悪化していきている物忘れに頻尿、白髪も少しずつ増えてきているので必須


この3つが一度に手に入る夢のようなスタンプを是が非でも押したかったのだが・・・

スタンプ台を見ると、インクなどでかなり汚れており、グチャグチャになったパンフレットの置き忘れもあり。さらにスタンプの持ち手もインク&泥で汚れている

潔癖症なので触りたくなかったが、3つを手に入れるための試練だと思い、我慢してスタンプを握り、天竜峡駅近くの観光案内所でもらったパンフレットの余白部分に押す

気のせいかもしれないが、スタンプを押した瞬間に「しょんべんしてぇ」と思い続けていた気持ちが、若干薄らいだような・・・





『開運』をさらに塗り重ねるため、昇龍泉看板の左横にある『幸せの鐘』の前に行く


「天竜川に鐘の音をひびかせて、しあわせを願ってください」


観光地にこういったベル的なものがあった場合、通常だったら「はしゃいでいる奴」と思われたくないので近づきもしないのだが、今は周りに人がいないので、遠慮せず元近鉄の中村紀洋選手ばりのフルスイングで鐘を鳴らさせていただく


「年末の中山大障害・有馬記念・ホープフルS・東京大賞典、さらには住之江グランプリ・KEIRINグランプリ・スーパースター王座決定戦などのビッグレースが当たって、幸せな年末年始が過ごせますように・・・」


大自然に響き渡る鐘の音に合わせて、テレビのボリューム32ぐらいの声を出して、上記の言葉を御経のように唱えて祈る

その結果、中山大障害では的中してお金を増やしたものの、有馬記念&ホープフルS大惨敗で一気にマイナス収支に転じてどん底まで沈み、その他のビッグレースでも元返し・トリガミ・外れを繰り返してリカバーできず

トータルで大幅にお金を減らし、元日から割引シールが貼ってある総菜パンを晩飯で食べる笑顔ひとつない年末年始を迎えることとなる


昇龍泉さえ飲めていれば、また違ったはずなんだよ・・・





つつじ橋を渡る。頑丈に作られているので安定感はあるが、吊り橋なので歩くと多少揺れる。ただグラグラ揺れる感じではないので恐怖感は無い。高所恐怖症の方は厳しいかもしれないが・・・

昇龍泉看板側から橋を渡って左手には『龍角峯』(上写真2枚目)
右手には、これから訪れる予定の『天龍峡大橋』(上写真3枚目)

期待を上回る絶景である

周りに誰もいないので、吊り橋の真ん中に立ち止まって、左右振り返りながら、静寂の天龍峡をしばらく眺める

結局つつじ橋を後にするまで誰一人来ず、そのことを良いことに、30分近く長居してしまった

前回のブログでも書いたが、天竜峡駅から観光客っぽい人とすれ違ったのは1~2人程度で、終始天龍峡独占状態

国内外の観光客にまだバレていないようで、どっぷり『つつじ橋』を堪能させていただきました





この後は、『そらさんぽ天龍峡・天龍峡大橋』に向かう

つつじ橋を渡り切って進んでいくのが最短ルートで、この場から徒歩37分もかかる

美景を見たいので、歩く気満々で心構えていたのだが、つつじ橋を渡り切ると、まさかの通行止め・・・

別ルートで行くとなると迂回することになり、歩く距離&時間もさらに長くなる

現在時刻は10:45

当初の予定では、もう少し早い時間に天龍峡大橋に向かうはずだったのだが、天龍峡一人独占状態を良いことに、じっくり&のんびり巡ってしまい、時間が押してしまっている

乗車予定の電車は12:33発、JR飯田線は本数が少ないので、電車を一本遅らす(次の電車は約2時間後)ことは、この後のスケジュールの都合上できない


「どうするべか・・・」


もしこのまま天龍峡大橋に行った場合・・・

迂回路往路+そらさんぽ天龍峡見学+迂回路復路+ご当地グルメ昼食

かなりタイトなスケジュールになってしまいそう

とりあえず、迂回ルートの入口地点にある『よって館天龍峡』(つつじ橋から歩いて数分)に向かってみる





『よって館天龍峡』は、名勝天龍峡の自然、歴史、文化を地形模型や映像で学ぶことができる施設で、この建物を通り抜けると『そらさんぽ天龍峡』に続く道が現れる

とりあえず、施設内(無料&無人)の展示物を見物してから建物を通り抜ける





案内看板では、そらさんぽ天龍峡まで760mと表記されていたが、ほとんどが登り道(お藤山道)で、距離以上に時間を要する可能性が高い

近くの地図看板を見ても、明らかに遠そう・・・

スマートフォンの地図アプリ(Googleマップ)で、経路&到着時間を調べてみるが、つつじ橋を渡る最短ルートしか案内してくれない


「やめた!!」


歩いたら片道1時間近くかかりそうな予感がしたので、『そらさんぽ天龍峡』は諦めることにする

無理して行ったとしても、じっくり見物する時間が無ければ意味がねえ!
そもそも1時間近く山道を歩く気力も体力もねえだ!!

案内看板に背を向けて、天竜峡駅方面へ引き上げる





時刻は11時過ぎ、天竜峡駅周辺に帰還

残りの1時間超は、駅周辺の観光施設をのんびり巡りつつ、昼食でご当地グルメを食べることにする

歩いていると『天竜ライン下り』乗り場を発見
間近に出発する便が無かった上、乗船時間も50分ということなので、乗船は不可能

さらに加えるならば、なかなかの運賃(3,600円)で、前日京都競馬場で大惨敗をしている負け犬には、3,600円を払って船に乗る心の余裕を持ち合わせていなかった





天竜ライン下り乗り場を通り過ぎて、2~3分歩いたところに『農産物直売所 あざれあ』という道の駅的なショップがあったので、ご当地グルメ目当てで中に入る

スマートフォンでこの辺りの名産を調べると、信州らしく『りんご』が真っ先に出てくる

「りんごジュースを飲む」と決意して売り場を見て回ると、多種類のりんごジュースが売られており、どれを買うか迷う





『南信州ふじりんご 里山の恵み』を購入(240円)

ラベルシールのノーポップな感じが好みで、『恵み』というワードに美味さを感じたので、こちらを手に取った

「こりゃ宇宙レベルだわ・・・」

その辺のスーパーで売っているチルド飲料とは濃さも甘さも違う

店前に置かれていたテーブル&椅子に座って、濃厚りんごジュースを日本酒の熱燗を飲むように、大事に大事にチビチビと頂く





さらに『すずらんソフト』(300円)も合わせて購入

私は、ご当地ソフトのポスターを見てしまうと、我慢できず買ってしまう依存症なのである(ご当地ソフトちゅぱちゅぱ病)

信州駒ヶ根を代表する特産品『すずらん牛乳』を使ったバニラソフトクリーム

なめらかなソフトクリームかと思ったら、シャーベットのようなシャリシャリ感があり、意外な食感であった

ロッテ爽ほどシャリシャリはしておらず、味はこちらの方が濃厚

「シャリシャリし過ぎていないのがちょうど良く、食感が気持ちいいだ・・・」

これまでの一人旅で様々なご当地ソフトを食べてきたが、上位評価を与えられる味

鹿児島で食べた芋焼酎ソフト(2018年青春18きっぷ一人旅)に肩を並べるぐらいの美味しさであった





上の写真の大看板は、天竜峡駅からつつじ橋へ向かう道中にあったもの

『そらさんぽ天龍峡』に行くことは叶わなかったが、天龍峡を一人で独占し、甘いものまみれになり、充分満足のいく天龍峡巡りであった


「しょんべんしてぇ・・・」


『開運・延命・若返りスタンプ』の効果が切れたのか、とてつもない尿意が襲いかかってきたので、あざれあ内のトイレをお借りしてから、天竜峡駅方面へと戻るのであった



つづく



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