北海道&東日本パス一人旅2019 6日目① 酒を求めて、大自然を突き進め 魚沼の里 八海山雪室

※書いているのは2025年ですが、2019年の話です。これまでの話はこちら





2019年8月26日(月)


朝6時起床。宿泊した燕三条のビジネスホテルは、ごく普通のユニットバス付きワンルームで、広い部屋でもなかったが、騒音も無く、ベッドもふかふかで快適に過ごすことができた

一昨日にネットカフェに宿泊していただけに余計にそう感じたのだろう


早々に話は脱線するが・・・
青春18きっぷ一人旅を始めた頃(2008年~)は、激デラックス低所得者(現在は暗黒地下低所得者に昇格)だったので、旅期間中の宿泊費は極限まで節約して、ネットカフェばかり宿泊していた

ただ加齢と共にネットカフェに宿泊する体力・気力は無くなり、今回の2019年以降の旅(~2025年現在)では、ネットカフェ宿泊はしていない

終電を逃して始発を待つぐらいのネットカフェ宿泊なら問題無いのだが、疲れ切った長旅の宿泊だとしんどいのである・・・

では具体的に何がしんどいかと言うと、シャワールームの順番待ち時間・冷暖房の温度設定と身体の不一致・朝方まで続く騒音・近隣のPC動画や漫画をおかずに自家発電されている方の気配など・・・

個室のフラットシートに宿泊したとしても、上記の様々なストレスで安眠するのは難しいのである

よって現在(2025年)では、多少高いと思ってもビジネスホテル(1泊3,000~4,000円台が理想、5,000円台前半まで守備範囲)に宿泊している


話を今回の旅に戻して・・・
昨晩はビジネスホテルに宿泊したおかげで、熟睡することができて、朝早い起床&出発ではあったが、軽快な足取りで燕三条駅へ向かうことができた





一人旅6日目のメインイベントは、『魚沼の里 八海山雪室』に行くことである

まず魚沼の里とは・・・
『清酒 八海山』を製造している八海醸造が運営するスポットで、魚沼の暮らしや雪国の文化を通じて「“郷愁とやすらぎ”を感じていただきたい」という想いから誕生。カフェや飲食店、雑貨店などのショップなどが点在している

その中にあるのが『八海山雪室』
1,000トンの雪を収容する雪中貯蔵庫で、年を通して約4℃前後の環境を保ち、日本酒を熟成・貯蔵している

同施設では雪中貯蔵庫体験ツアー(当時無料、現在は有料)も行っており、良質なお酒も無料試飲できるということなので、タダ酒を呑むというスケベ心丸出しの気持ちで、行くことを即決したのである


旅2日目にニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所

旅4日目に朝日酒造


そして今回の八海山雪室で、2019年一人旅酒蔵巡り三部作完結となる



燕三条 7:05発 弥彦線
東三条 7:12着

東三条 7:34発 信越本線
長岡  8:02着

長岡 8:37発 上越線
浦佐 9:20着



燕三条から長岡までは、通勤通学の時間帯もあって座れず
約30分間の長岡駅での乗り換え待ちでは、駅構内のベンチに座って、廃人のようにぐったりする

長岡駅から乗った上越線はガラガラ。ようやく平穏な時間が訪れ、下車する浦佐まで、隠居した殿様のようにのんびり過ごす





『魚沼の里』のホームページに載っているアクセス方法は、浦佐駅あるいは五日町駅からタクシー(10~15分)ということになっている

タクシー料金を調べると、2,000~3,000円台はかかるとのこと・・・

私のような暗黒地下低所得者では、タクシー乗車のハードルはあべのハルカスぐらい高いので厳しい

どうにか路線バスが走っていないか調べまくったところ、『魚沼の里』にやや近い場所に『麓』というバス停を発見する

バス路線図を見ると、同バス停はJR上越線の複数の駅と繋がっていた

ただ!『魚沼の里』からやや近い場所と言っても、Googleマップで調べると、バス停から『八海山雪室』まで徒歩25分もかかる・・・

かつバスの本数もかなり少ない・・・

営業開始の10時に『八海山雪室』へ行くとするならば、路線バスだと都合のいい時間の便が無く、タクシーに乗って行くしかない





それでも暗黒地下低所得者は、路線バスに乗る

朝9時台に浦佐駅を出発するバスに乗れば、10時到着は無理だが、10時30分までには『八海山雪室』に到着できそう。道に迷わなければ・・・

10時台前半到着なら、この後の旅のスケジュール(電車・バスの時間)に影響は出ない。よってバスで行くことを決断する

それに路線バスなら片道400円

タクシーと比較して交通費が3,000円も浮くのなら、喜んで歩きましょう

長年の低所得生活で貧乏が全身にべっとりこびり付いているので、徒歩25分など日常からよく歩いているのでノープロブレム


浦佐駅東口 9:25発 南越後観光バス
麓     9:47着


バス停のすぐ側にファミリーマートがある
これから気温30度の中、約25分歩くので、冷たい炭酸飲料でも買って水分補給をしようかと考えたが・・・

何も飲まずに歩いて、汗をかいて喉が渇き切った状態で飲む『八海山』は抜群に美味いはずと思い、コンビニには寄らずに歩き出す





道中は思いのほか大自然で緑の絨毯が広がっている。好天も重なって最高の景観である

日本随一の米どころ魚沼とあって、あちらこちらに収穫前の稲が実っており、風になびく姿が美しい

美観を楽しみつつ、スマートフォンで地図アプリをチェックしながら歩を進める





10時20分頃、八海山雪室に到着
受付に向かい、10時30分からの雪中貯蔵庫体験ツアーに申し込むも、定員一杯で出来ず

11時の回は空きがあるということなので、そちらを予約する

ツアー開始まで30分あるので、魚沼の里内をフラつく。こちらも緑の絨毯が広がっており美景

酒造りは『水と自然環境が大事』とこれまで日本各地の酒蔵巡りをして学んできているが、「こりゃうめえ酒ができるな」と素人ながらに思わせる整った環境であった

飲食店はまだ営業前、案内看板やパンフレットを見て、ツアー後に何を食べるか想像を膨らませながら歩き回り、定時を迎える





集合場所で背筋と股間をぴ~んとさせながら行儀よく待つ

他の参加者はファミリー客ばかりで、個人参加は私一人のみ

抜群の気まずさはあるが、このような状況になるのは毎度のことなので想定内、かつ慣れっこなので、いつものように最後尾の目立たぬ場所でマイペース見学をする





「寒っ!!」

山盛りの雪が積まれていて、夏場にもかかわらず室内の気温は5℃

ぴ~んとしていた背筋も股間も萎縮する寒さであった

案内係りの方によると、雪室では酒だけではなく、野菜などの食料品、コーヒー豆も貯蔵しているとのこと

説明を聞いて、ますますお酒が飲みたくなって、15分間の雪中貯蔵庫体験ツアーが終了する





雪中貯蔵庫を出たところに酒蔵コーナーが現れる。奥にはバーカウンターがあり、そこでお酒の試飲を行なっている

カウンター上には、試飲できるお酒が並べられており、イレ込み気味に瓶を眺め、どれを飲もうか頭を悩ませる





考えに考え、八海山の見た目高そうなボトルと甘酒の二種を試飲させていただく

両方とも少量ではあったが、深い味と香りがふわ~っと口の中に広がる美味さ

「あぁ、気持ちいいだぁ・・・」

ここに来るまで25分歩いているので、疲労も加味して一段と酒が沁みて昇天気分になる


また話は脱線するが・・・
私と八海山との出会いは19歳の時、場所は新宿の某デパ地下のリカーショップ。大学1年生の春休み期間中だけ、そこの店で短期アルバイトをしていた

仕事内容は、店内を歩き回っては商品の酒をひたすら前出し。そこまで広い店でもないので、前出しをする酒が早々になくなり、ただつっ立っているだけの状態で大半の時間を過ごす

お客さんに度々お酒の質問をされるのだが、19歳のガキに酒の知識などある訳もなく、その度に店員(社員)を呼びに行くという行動の繰り返し

「えっ?オレいる?」と思わせる、やりがいの全く無いアルバイトであった

上記の仕事内容なので時間の経過がどえらく遅い。そんな中で暇つぶしでやっていたのが、商品の酒を見て、産地・アルコール度数を当てるクイズ(ラベル・缶の裏を見て答え合わせ)

そこで知ったのが八海山、様々な種類の八海山を扱っていた店だったので、ラベルの字体含めて脳裏に焼き付いたのである


そんな17年前の記憶を思い出しながら、八海山のラベルに書いてあった生産地・魚沼で一杯やるのであった





八海山雪室を出た頃にはお昼時、朝昼兼用の飯とする

魚沼と言えばコシヒカリ、選択肢は米料理一択

飲食店は魚沼の里内を歩き回っていた時に目星を付けており、『武火文火』という店に入る

12時前のタイミングも良かったのか、混雑に巻き込まれることなく、スムーズにテーブル席に案内される





定食も捨てがたかったが、『にいがた和牛を使った きのこ牛丼』(1,050円)を選択

決め手は、『にいがた和牛』が先程訪れた八海山雪室で貯蔵したものを使用(メニュー表に記載)しているということで、どんな味がするか興味が湧いたためである





しばらくすると大きい器のきのこ牛丼が登場

ご飯大盛り無料とメニュー表に記載されていたので、遠慮せず大盛りで注文

貧乏舌なので、にいがた牛のどの辺りに八海山雪室貯蔵の特徴が出ているのかは、一切分からなかったが、ハイパー美味いということは一口目で分かった

お味噌汁もお上品な味で良し
温泉卵を牛丼と混ぜるとさらに良し


「なにより米がうめえだ・・・」


このブログを書いているのが2025年11月中旬
『古古古古古・・・』などと名付けられた備蓄米の販売も終わり、国産米の価格が糞たけえ状況が続いている

ご飯大盛り無料で、価格を気にせず腹一杯国産米を食べられることが、幸せなことだと、ブログを書いていて改めて感じさせられた

ちなみに、今回入店した『武火文火』さん
ブログ作成のため、改めて調べてみたところ、2019年9月1日をもって閉店したとのこと・・・

つまり、閉店の6日前に行ったということであった(全然気づかなかっただ・・・)

美味しかっただけに残念である





これにて『魚沼の里』の観光スケジュールは終了

予定していた時間よりも早く見終えてしまった

この後は、また25分歩いて麓バス停に戻り、JR浦佐駅に行く予定だが、徒歩時間を差し引いても、まだ40~50分ぐらい時間に余裕がある

どうするか?酒でも呑むか・・・



つづく



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